2024年4月13日土曜日

戻り川心中


連城三紀彦さん
これは面白い 貧しい昭和初期の男女の悲哀が 殺人事件の謎解きと絡めて情感たっぷりに描かれる短編集 本当に面白い
ただ前半3編と後半2編は趣が異っていて後半のほうが情緒が薄いと感じた いずれにしても久しぶりにストレートに小説を読む面白さを感じさせてくれた 
実は読書データを見てたら本書は91年2月26日に読んでて でも全く覚えてないので借りてみたのだった 読んでる間も全く思い出さなかった 33年前だもんな 覚えてる本は覚えてるんだろうけど子供の頃読んだ本 でも覚えてる 本 あるからね こういった短編集をはちょっと難しいかな 

藤の香
遊郭で働く貧しい女たちのための代書屋が女たちを助ける為に人を殺す 彼が囲っていた女もそうだった
桔梗の宿
遊郭で働く若い女を巡る事件 火事で会った男にあいたくてまた火事を起こす人形劇と同じ 刑事にあいたくて人を殺した
桐の柩
兄貴分の妻とデキてしまい兄貴を殺したが その女だけは抱けなくなったしまったヤクザの弟分の話 兄貴の殺人の証拠を消すため親分を殺すがアニキは女に殺される 
白蓮の寺
寺に嫁いだ母親の不義と自らの出生の秘密 母は秘密を隠すために嘘の記憶を息子に植え付けるためだけに父を殺した
戻り川心中
天才歌人の2度の心中事件の真相 技巧のみで心がなかった自らの歌へ心があるように見せるためにあえて事件を起こしてきた

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