いきなり山本周五郎なわけですが、この作品は以前から読みたいと思っていて読めないでいた作品で、西岡図書館の全集コーナーで山本周五郎全集を発見して以来、いつか読もうと思っていた本でした。
実はこのコーナーには司馬遼太郎全集やら谷崎の全集やらもあって、ものすごくイイです。西岡に住んでよかった~。
で、作品ですが良かったです。物語として面白く読ませるし、なにより人生がある。若い頃だったらどう読んだかわかりませんが、いまこの年齢で読むと身に染みるようです。
ただちょっと気がかりなことも何点かあります。
まずストーリー的に完結していない部分があるように感じること。七のその後とか、仇とつけ狙っていた相手がいつの間にか物語から消えてしまうこととか。
長編の執筆中に消えてしまった伏線?
あと、あまりにハッピーエンドすぎるところ。
ラストは少し苦味で終わるのかなと思って読んでいたら、拍子抜けするほどのハッピーエンドで少し興ざめ。
妻のつるの変貌ぶりが不自然、急に性を大胆に扱うようになるところも不自然。
と、やや疑問点もありますが、全体的にはすごく面白くて胸にじんと来る作品でした。
他の作品も読みたいですね。
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