2013年10月4日金曜日
伽羅の香
宮尾登美子さん、久しぶり、さっき読了。
硬質で簡潔で品がある、宮尾さんの文章って読んでるだけで心地いい。
香の世界のお話です、例によって子供の頃からじっくりと話は進んでいきますが、例によって男と女の話で激しい動きもありますね。
しかし今回の主人公はなんと潔い人だろう。そんなに強い意志を持ってるような感じでもないんだけど判断は早くブレない。裏切られて一時は恨んでもすぅ~っとその恨みは引いていく感じだ。透明感のある主人公でしたね。
ただ後半、麿さんに手ほどきするあたりはやや単調で紙数ばかり費やしてる感がありました。
印象に残った切れ端ですーーーー
美しければ、玉虫死んだことを知らず (景三の死)
黒髪の一筋一筋が悉く嫉妬の蛇となって悶える(景三の不義を知って)
月、水に濡れず、水、月をこわさず(麿からのくぎ 道元かな?)
私が押さえてる限り宮尾さんの小説は24冊、読んだのはそのうち9冊、この本が10冊目でまだ半ばまで達してない。これからの楽しみだなあ~。
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