2024年11月15日金曜日

驟り雨


藤沢先生の短編集だがこれはあんまりだったように思う
先生は人情ものの印象が強いけど本作は結構リアルに突き放した作品が多い印象
私は人情でベタベタしてるのが好きなわけでもなく、これはこれだとは思うけどけど、おさんを読んだあとのせいかどうも物足りなく感じた
どれかひとつだとユーモラスな「運の尽き」をとる
表題作の「驟り雨」も良いがおさんの「夕靄の中」に似ているような気がして比べると劣ると思う


贈り物
悪相の年寄りが病を介抱してくれた女のために足を洗った盗みを働き死ぬが女には金を残す 女は金を手にし男の事は知らないと言いはる
うしろ姿
乞食の老女を拾ってきた亭主に怒る女房だが亡くした姑に似ていて追い出せない 一緒に暮らすのが嫌で出てきた金持ちの息子が迎えに来ていったんは戻るが・・
ちきしょう! 
亭主に死なれ幼子を抱え夜鷹に身をやつした女 ついてない日に客がつかずやっと見つけた客にただで逃げられ戻ると子は助からない 見つけた客に切りかかる
驟り雨
研屋をしながら時に盗みも働く男が目をつけた屋敷に忍び込もうと雨が上がるのを待っていると次々とあらわれる人たち ついに困っている親子を見かねて盗みをやめて家まで送り届けることにすると雨は上がっている 
人殺し
長屋で暴力で好き勝手に振る舞う男に好きな娘を犯された若者がついに男を殺してしまう
朝焼け
博打の借金で首が回らなくなった男が昔捨てた女に無心し金を借りるがまた博打で消える ついに人を傷つけ女のもとに逃げ込むと受け入れてくれる 自分を好いてくれた唯一の女と思い知るが朝には逃げる
遅いしあわせ
ヤクザ者の弟のせいで嫁ぎ先から戻らざるを得なくなった女が弟のために売られそうになったところを助けてくれた前科者で無口だが頼もしい男
運の尽き
気ままに生きてた女たらしの男が手を出した米屋の娘の父につかまり仕事を叩き込まれるうちにたくましくなっていく 昔の遊び友達と久しぶりにあってもどこか馴染めない
捨てた女
大食いだが少し頭の足りない女をみかねて三年一緒に暮らすがついに捨てて他の女のもとに走るが、刑期を終えて戻った女の夫ともみ合いになり殺してしまう 10年の刑を終え戻った男は後悔し捨てた女を探すことにする
泣かない女
出戻りの親方の娘に誘われ一緒になり職場を継ぐため足の悪い女房に別れを切り出す男 予想に反し泣くこともなく淡々と出ていく女房 今までのことを思い出し女房を追いかけ職場はやめることにする男

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