2024年11月8日金曜日

絃歌恐れ野


赤江瀑さんの短編集
独特の雰囲気だけでなくミステリとしてのオチも結構あるような それがいいかどうかは別として
表題作が特にそう お互い相手の思いに気づきながら嘘を言い会うラストは短いけど読み応え十分 いつもの古典芸能の世界に通じるケモノ猫も好きな作品



絃歌恐れ野
今は旅館を経営しているが苦界に身を落としながら子を育てた女が殺人事件に遭遇 女の犯行と勘違いしとどめを刺す子 その子を庇う母を見て勘違いに気づき自死する子
アリアドネの糸
愛する夫を亡くした宝石商の女 カトマンズで孤児となった宝石細工の少年を引き取り母子として育て上げ男女の仲になり 亡き夫の亡霊とともにベッドでまどろむが 実は一人だった
江戸の鷗
旅先のものを持ち帰る趣味を持つ男が遊郭の小部屋の壁に見つけた紙を張り合わせた奇妙な物は女の髪飾り その中の紙に死を願う言葉 結婚したばかりの男の妻は不慮の死をとげていたが?
ケモノ猫
古い能面を次々と売った猫のような男 買った一人にその話を聞いた大学の後輩の男 能面は盗まれたもので元の家の今は貧しく暮らす女が残った面を売ってほしくて猫を探す 後輩が猫だった
卯月恋殺し
大庄屋に伝わる銃に代々の男たちは魅せられ身を滅ぼす ついに一人となった家の娘は叔母に銃を捨てるよう諭されるが銃にみせられ 男二人と三角関係になり男たちは撃ち合って共に死ぬ
ジブラルタルの短剣
スペインで買った海の色の短剣は その場でドーベルマンの血を吸い 何人もの愛欲に溺れる人間の血を吸い ついに持ち主の血も
花帰りマックラ村
生は他者から与えられたものであり自ら望んで得たものではないため死後の世界に憧れ自死し真っ暗な場所に葬られることを望んだ友は望みが叶い花となる
馥しい骨(こうばしい)
才能に溢れた歌舞伎の跡取りが創作にのめり込み家を出るが父の代役でもどり舞い火にまかれ死ぬ 直前演じきれなかった創作の主人公が現れ想いを訴えこれで演じられるとの恍惚の中だった




書きかけ〜

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