2024年5月31日金曜日

胡蝶の陣

陳先生の短編集
相変わらず面白いが今回は歴史モノだけに重みを感じる 一方で歴史モノだけに人が多すぎてやはり読むのはちょっと辛かったりもする
そういう意味では最後の話は少し読みやすい
心に残ったのは最初の楊貴妃の話かな
文章の中で司馬遼太郎を思わせる部分があった
多分逆だよな、司馬が陳さんの影響を受けてたんだと思う


楊貴妃は覇水を見た
望んだことはほぼ 叶ってしまう 楊貴妃 玉環の短い 生涯 淡々と語られる権力闘争の虚しさ 中国歴史モノとして味わいのある短編 
パミールを越えて
武将 高仙芝は多民族を尊重することを心がけ武功をあげ出世していくが 最後に宦官を侮蔑し死んでいく 本音だったか
落日孤雲
宋、女真族の金、蒙古が対立する中で女真族の文化を守り残そうとした詩人の生き様と細字を書く男の信念
胡蝶の陣
明の子供が倭寇に胡蝶の陣で両親を殺され復讐を胸に謀略を巡らせついに復讐を遂げるが晩年義兄が倭寇を手引しニセの胡蝶の陣を装っていたことを知り失意のうちに老衰死する 謀略の面白さとラストの鮮やかさ
シンカンの若者
台湾貿易をめぐるオランダと日本の争いに巻き込まれる台湾の若者 好きだった女を取られ復讐し森に消える
海山仙館記
これは歴史モノではないかな 博打に狂った元教師の復讐と栄華と没落 淡々と語られるがラストもいい

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