2011年3月15日火曜日

韃靼疾風録


司馬遼太郎の最後の小説らしいですが、かなり面白かったです。
私の中国史に対する知識が乏しかったせいだと思いますが、とにかく先が読めない展開で、大筋の結末は分かっている従来の歴史ものとは根本的に違ってました。

大体船に乗って異国に行って冒険する話ですから、面白いはず。
しかし結構読むのに時間もかかりまして、それは随所に司馬流の脱線というか薀蓄がはさまっていて、物語が前に進んでいかないことが原因だったと思います。
まあ、そういうことを全てひっくるめて司馬遼太郎の面白さなんでしょうが。

司馬について改めて思ったんですが、あんまり女性との色恋は書かない人だと思ってましたが、逆で、かなり描く作家なのかなと。描写はあくまで淡々としているけど、結構中身は深いというか。もともと人間を描きたい作家だから、男女の仲は当然描くのかな。
この作品でも、主人公がアピアに抱く気持ちで悩むあたりは前半の大きな読ませどころになってましたね。あと、花神での大村益次郎とイネの関係も面白かったなあ。

というわけで西岡図書館の司馬全集は使える。
しかし主だったものは大体読んでるんで、次は再読になりますかね。
ちなみに今は東野圭吾を読んでます。

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