2025年1月14日火曜日

海贄考


赤江瀑さんの短編集

深い余韻の表題作 静けさの中に赤江さんらしさが光る名作


海贄考
愛が冷め旅の末心中した夫婦の夫が蘇生し浜で暮らし始めるが何度も事故で死にかける 亡き妻が呼んているのか 生贄を海に戻そうとする村人の意思か 海で死ぬものは捧げ物で助けてはならない?
悪い鏡
全面に鏡が張られた自室で自殺した男の後輩が男の死の意味を考える 自分のすべてが見える見たくないところまで
浮寝の骨
結婚直前の娘が学生時代寮で同室だった女の家を訪ねる 長兄が末の妹を犯し中兄がそれを見て悶えている獣の家
硝子のライオン
振動でガラスのライオン像が頭に落ち死んだ赤子 像を粉々に砕く母親とそれを咎める夫 ガラスの破片を砕き少しづつ食べながら白髪になった女は家を出てどこにも定まらない生活を送る 
幻鯨
多くの人手をかけるクジラ漁への投資も限りがあり諦める寸前に物見がクジラを発見し皆で海に出るが見つからず物見は責任を取り自死 実際は全員漁から帰らず物見一人生き残っている
月下殺生
胃痛で苦しむ父の死は胃のない母の嫉妬による殺人か その息子は嫉妬から友人の恋人を寝取り友人から憎まれることを願う
外道刈り
猟銃を持ち森を歩く男と女の幻想 妻と夫を殺したそれぞれの過去
火藪記
戦時中兵隊が村の娘と懇意になり戦地から戻り結ばれるため二人の像を山の男に焼いて埋めてもらうが娘と男は出来てしまう 少年は埋めた像を掘り起こし砕く 偶然出会った少年と兵隊が晩年飲みながら話す



書きかけ〜

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