2020年8月19日水曜日

一茶


藤沢先生の人物伝は初読みになる
一茶という人物を美化すること無くかなりリアルに描いていたと思う
常に生活に、お金に苦しみ、成功した同業者をねたみ、血の繋がった弟を貶めるような男

本作は人物を描き続けた司馬遼太郎的な歴史物ということになると思うが感じは違う
多分だけど司馬さんが描く人物は司馬さんに愛されているが一茶は藤沢さんに愛されていない
平易な故か妙に心に記憶に残る一茶の俳句だが、こういった作品を残した人物への興味が作者に作品を書かせた理由でそこに過度な思い入れがない分冷徹な視点で一茶を描けていたのだと思う
積極的に性を描いているのも今まで私が読んだ藤沢作品には無いことだった

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