2018年7月25日水曜日

アンダーリポート/ブルー


佐藤正午さん
昔読んだ短編集にものすごく感動してすごい作家だなあとずっと思っていた
でも一時期読んだけどちょっと理屈っぽすぎてわかりづらいと思い読まなくなってた
今回の直木賞受賞は良いきっかけ、また読み出したら結構いける。
私の読む姿勢が変化したってことかな

佐藤さんの小説を読むと、小説って何なんだろうって思う
小説のテーマとか、作者の言いたいこととか、そういうことを言い出すと佐藤さんの小説は居場所が難しくなると思う
読んで面白ければそれでいーじゃん、となればかなり上位に来ますよね

人間は言葉を覚えて、記録することも覚えた
それを使えば経験したことの無い色んなことを保存できるし他人にも伝えられる
どう記録するか、その技術もどんどん磨かれていったんだろう
そして高度に洗練された記録の手法の典型が佐藤さんの小説ってことになる

佐藤さんの文章の持って回った言い回しとか、皮肉なところとか、時間が飛ぶ構成とか、イヤな人はイヤだろうなあと思う、嫌悪に近いくらい
でもこれを面白いと思えれば限りなく幸せな佐藤ワールドに浸れる

本作は直木賞受賞作と比べるとそれほど凝った作りでは無く、比較的読みやすいと思う
しかし読者へのサービスはほとんど感じない
ここで終わるのか???
ふふふ、あとは想像して楽しんでください、ってことなの?
それでも佐藤ワールドの住民になってしまった私は何となく納得してしまいまた別の作品を読むことになるんだろうなあ

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