2013年3月30日土曜日

神の火


さっき読了。高村薫。

3/13、朝トイレで急にリオウを思い出した。
リオウはどうして主人公の日本人を何度も誘ったんだったっけか?
どうしても思い出せないんだがホモセクシュアルな雰囲気の漂う男たちの荒々しい物語はなんとも言えない哀愁の漂うものだった。
どうして女性の高村にこんな小説が掛けるんだろう???

ということでまた何か読みたくなって借りたのがこの本。記録によれば最初に読んだのは平成15年の9月。役10年ぶりになる。

高村の特徴って細部の精緻さだったのかな?ものすごい。
ある意味全編ありえないような荒唐無稽な話なんだが、細部の精緻さでリアリティが作られているような気がする。
気がつくとスパイ戦の中にいる主人公に感情移入してしまっていて、職場の仕事に引き戻されてはっとしたりした。こんなことは今まで無かったなあ。

高村の文体はちょっと最近の(?)ものとは違うような気もした、最初の一行を読んでこれは高村、とは思わなかったから。でも十分高村、硬質で余分なものをそぎ落としたような、鋭い文章、これで
わけのわからんスパイテロ小説を書く 女性ってどういう人なんだろう???

君は崩壊したチェルノブイリに入ったというのか。測定器の針が振り切れてしまうような放射能を浴びながら、素手で瓦礫の山を掘り返して父親を探したというのか。

ぐっときました。男が思わずぐっと来るような文章をどうして女性に書けるんだろう。

ラストの日野が射精する狂気、なぜ射精?????
後半の襲撃の準備からの描写は緻密すぎて読むのがつらかった。ここまで淡々と緻密な描写が必要だった理由は何だろう?
謎だなあ、まあ面白いから良いんだけど。

次は黄金を抱いて翔べかなあ。

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