2015年3月18日水曜日

天璋院篤姫


宮尾登美子さん
最近ずっと直木賞受賞作を読んでたけど、まだ宮尾さんはコンプしてない
もったいないので少しづつ読もうと思ってたりしてたわけだが、新しい作家さんにもちょっと飽きてきたので宮尾さんを読むことにしてみた

文章はあまり宮尾調と感じなかったけど、随所に宮尾さんらしい言い回しはあり、美しさと機能性を兼ね備えたきびきびした文章は健在
しかし坦々と史実を綴るような書ぶりはまさに歴史小説で、大好きな歴史モノを宮尾さんで読めるという二重の喜びを感じながら読めた

しかしである
私は宮尾さんが読みたかった
本作は堂々とした歴史小説ではあるが、宮尾さんなんだろうか???

何を書いているのか自分でも判然としないけど、宮尾さんは実在の人物を綿密な取材の上で宮尾解釈の人物として作り上げて小説にしてきたのだと思う、それが私の考える宮尾さんだ
本作はそこのところがいまひとつと感じる
歴史背景が強く影響するだけに制約も大きかったのかもしれない
作者の想像で書く部分は大きいのだろうけれど、制約も当然強くなり、宮尾さんの個性を発揮できる余地も少なくなっているように感じた

ラストではぐっときたりもしたが、全体通すと少し不満
仁淀川の続きが読みたいと思いました、今となっては不可能ですが・・

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