2023年8月3日木曜日

黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続


三島屋 ファンの心情としては おちか のその後の方が気になるんだけど そこはあんまり触れずに さらっと 富次郎の 聞き手による物語が始まった ちょっと肩透かし 話は 4つあるが 今回は 均等に 4つの話があるわけではなくて 最後の黒武 の話が 全体の半分を占める 圧倒的な質とボリューム そしてそれを 新しい 聞き手の富次郎がどうさばく かと いう話になっていて おちかの後日談はなくはないけどかなり遠いところにある 宮部の 百物語第2部と言ってもいい 本作にかける意気込み みたいなものが 逆に伝わってくる内容だった

泣きぼくろ
富次郎の幼なじみによる 一家 がめちゃくちゃになる話 妖怪が嫁に取り憑いて 兄弟を 誘惑して家の中がめちゃめちゃになる 妖怪は次から次と 別の嫁に 取り付いて 一家は結局ばらばらになる 元凶は 一家の 父親らしいけど 父親も死んでしまって 謎のまま 後味が悪い

姑の墓
嫁を激しく いじめて 死んでいった姑の 恨みで その家の女が何人も死ぬ 話 不安に悩む 話手に対し 富次郎が優しく対応して 聞き手としての役目を果たす

同行二人
妻と娘をなくし 死んだようになって走り続ける 飛脚と 同じく 妻と娘をなくして自らも命を絶ったが 成仏しきれない 幽霊が 2人で走る話 前2作と比べて凄く理詰めで 面白くて おかしくて 泣ける 理屈がしっかりしてると全然怖い話にならないんだね そういうものなんだ

黒武御神火御殿
6人の男女が 怪しい屋敷に 突然 閉じ込められる そしてその中で 自らの罪を 白状したものの順に 死んでいく キリスト教 で迫害され島で自ら火に焼かれて 自殺した 恨み を込めて 屋敷を作ったのだった  1人だけ助けてやるということだったが 結果2人が命からがら 助かり 語る話 

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