2014年2月19日水曜日

リヒテルと私


河島みどりさんという方が書いた本。リヒテルの通訳兼付き人みたいな仕事をされていた日本人。
むかーし借りてIだけ読んだことがあり、それを忘れていて数年前に借りてまたⅠだけ読んでいた本。全部読んでしまおうと今回借りました。三度目の正直ってところ。

そんなわけでⅡの「ヨーロッパへの旅」から読みました。リヒテルの人となりがよくわかって面白いけど、作者の旅行記的なところもあってちょっと退屈だったりもしました。
しかしⅢ「日本への旅」はすごく面白いです。
気難しくてユーモラスで真面目で神経質、精神的に問題を抱えていて超人的な記憶力を持ち超能力もあるリヒテル!!その人間性が存分に描かれてました。
日本贔屓だったことを知って嬉しくもなりました。ヤマハの技術者のためにコンサートを開いたあたりはちょっと感動。

ラストのリヒテルの死は淡々とした叙述ですけどちょっとうっとなりました。いつのまにか作者同様、リヒテルを近しい人に感じてしまっていたんですね。
リヒテルの研究家といった立場ではない、リヒテルを深く尊敬し愛していた作者の思いが伝わってくる作品でした。

多分リヒテルファンでなければ読まないと思うけど、リヒテルファンなら読んで損はないですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿