2014年2月23日日曜日

ピアニストは語る


エリス・マックさんという方の本です、音楽之友社から出てる音楽もの。
「リヒテルと私」を借りたときに図書館の棚で見つけた本。後ろに図書カードが入ってる古い本でしたがなかなか面白かった。

ピアニストに対するインタビュー集ですが、古いだけあって若いころのアシュケナージや今は亡きグールドも出てきます。
筆者のさりげない前振りから始まってすっとピアニストの語りに入っていきます。対話ではなくほぼ一人語り形式で進んでいきます。
ロシアという国に嫌悪と言っていい感情を持っていたアシュケナージが印象的でした。随分テクニカルなことを偉そうに語るミッシャディヒター(多分聴いたことない)42歳とか。

しかしこの本のメインはグールドからホロヴィッツ、ジャニスと続くあたりかなと思います。
メインというのも変だけど、明らかに盛り上がりがありますね。電子的な操作を積極的に肯定するグールド、個性を重視し打楽器を歌わせることを強調する老巨匠とその弟子。
ピアニストへのインタビューの寄せ集めではありますが、流れというか、全体を通しての作者の意図は伝わってくる。

その後は山をゆったりと降りていくのかと思いきやクラウスおばさんの感動的な話につながる。
収容所での強烈な体験を元に、言葉はいずれ音楽で置き換えられる、と言う。なんという音楽至上主義!!
続編を読んでみたくなるような、音楽好きなら誰しも興味深く読める本だと思います。

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