2014年2月8日土曜日

クラシック千夜一曲


宮城谷さんのクラシックエッセイ。さっき読了。
単にクラシック好きがクラシックの名曲にまつわるエッセイを綴ってるというよりは、宮城谷さん自信の生きかた・考え方のようなものが伝わってくる、興味深い本になってます。
メンデルスゾーンでは、学校教育が楽曲に先入観を持って臨ませていることの非を語ったり、作家としての心がけのような叙述もあります。
演奏家、ワルターやトスカニーニ、チェリビダッケ、カザルスなどに対するたっぷりの思い入れが語られたり、宮城谷さん本人が若い頃音楽家を志して断念した話もあって、楽曲ごとに章を分けてますが、毎回その音楽以外にも話題は飛んで楽しく読ませてくれます。

特に印象に残ったのは「嫌悪を学ぶ」ってとこかな。嫌いなものは嫌いで良い、そういう自分の感性みたいなものを大事に、という意味だと思います。
嫌いだと思っても勘違いだったり、年を経て好きになったりってことはある、だから好きは良いけど嫌いは決め付けないほうが良いと思うけど、自分なりの考え方、他人の言葉に流されること無く自分自身の考えをしかり持つ、ということは確かに大事だろう。私は宮城谷さんの語る「嫌悪を学ぶ」をそういう意味と解釈しました。   
私は結構いろんなものを嫌悪するほうだけど、子供たちを見てると妙に大人というか、「自分」が前面に出てないなって思うことが多い。「嫌悪を学ぶ」ことはやはり大事なのかな。

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