2013年6月19日水曜日

ローマ人の物語5 ユリウス・カエサル ルビコン以後


塩野七生に戻ってきました。
カエサルのその後。

ルビコンを渡ってからの同国人同士の戦いの日々、ほぼ常に不利な状況にありながらも勝ちきり、勝利をおさめ絶頂の瞬間の暗殺とその後。塩野さんはその後をしっかりと描いていて、そのことでカエサルの偉大さを浮き彫りにしてます。

なんとも魅力的な人物。戦えば敵なく、勝ったあとは敵を許す。
武人でありながら金と女にだらしない、しかしだらしなくても女たちに嫌われることもない。
武の才だけでなく政治的にも突出。
暗殺後も市民に愛され死した後に神となった男。

塩野さんのカエサル像はやはり「カエサルにぞっこん」と言われても仕方ないものなんだろうなあ、佐藤賢一の書いた視点はまったく別のものだったし。
しかしこの巻は読み物としてものすごく面白かった。ほぼ一人の人物に単行本2巻、文庫だと6分冊割いてる。
ローマ人の物語は、人物ではなく国の歴史を読むものだと思うけど、この巻は人物を読む巻だな。
読み手としては感情移入が容易な分、シンプルに楽しめますね。

塩野さんの文章は結構ましになってきてますが、言葉の使い方が変だと思うところが何箇所かあった。この人日本語苦手なんじゃないのかな?
あと、カエサルについては他の人が書いたものも読んでみたいと思った。西欧人一般のカエサル像が塩野さんのカエサル像と同じなのか否か、興味あります。

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