2013年6月6日木曜日

甲子園が割れた日


中村計さんという方の作品、松井秀喜の甲子園連続敬遠もの。
私はスポーツノンフィクション物は結構好きで、この本も確か単行本の頃から知ってて読みたいと思ってて、文庫が出たときは買おうかなあとも思ったけど結局買わないでいた。こういう本こそ図書館だよな!!ということで借りて読みました。

取材した作者の中村さんという個人がちょくちょく顔を出してきます。こういうのはありですね。実際に起こったことをいろんな視点から眺めるわけだけど、まとめるのは作者、最後は作者の視点だから、その視点を持つ人の個人個性は必ず作品に出る。その個性をある程度明示していくことは悪くないよな。

一番心に残ったのは松井のあとの5番バッターの話かな。そりゃそうだ、彼が打てなかったことで事件は「伝説」になったんだから。
しかし人間誰でもひとつやふたつのトラウマって抱えてる。それにどう向き合うか、つぶれるのか乗り越えるのかは他人のせいではなくすべて自分の問題ですね。

思わずぐっと目頭が熱くなるシーンも交えながら、最後は前向きに締められてた。
いろんな人間がいていろんな考え方がある。それは認めなきゃいかんということかな。当たり前のことなのに、マスコミはしばしばひとつの方向に世論を作りたがるし、高校野球で言えば連盟は頭が固そうだ。でも関係者は監督も子供たちも皆一所懸命にやってる。それは理解しなきゃだめだと言うことでしょう。
面白かったです。

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