2013年6月24日月曜日

影法師


プリズムでがっかりして読むのをやめた百田さんですが、文教堂で平積みされてた文庫版の本書を見てやっぱり読むことにしました。図書館ではすぐ予約できました。図書館最強!!

時代物で出だしの語り口は硬いけど、すぐぐいぐい引き込まれました。父親の死、友との交わり、一揆と、見せ場を作って小さく盛り上げて行きます。一揆のところでは泣いてしまいました。うまいですね~。
そのあとも挿話自体はすごく面白く進みますが、大きなストーリーとしては最後までなんとなく消化不良で終わりました。

彼が「Shadow」として友を支えていたことはわかるし面白いんだけど、「何故」の掘り下げが足りない???
実は「ねね」が好きで、「一生守る」約束が果たせなくなった時点で人生をあきらめたとか(弱いけど)、もともと虚無的な「闇」を抱えていた人物だったりとか。
とにかく「Shadow」だったのはいいとして、何故「Shadow」になったのかをこそじっくり書き込む必要があったのでは?

前回プリズムで感じた物足りなさとつながってるのかもしれない。
面白いんだけど微妙な作家だな。

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