2009年11月29日日曜日

マークスの山

11月26日木曜日に読了。
結構時間かかったが面白かった。高村薫良いな~。

しかし最近、読んでる間は読み終わったらいろいろ感想を書こうと考えているんだが読み終わると盛り上がっていたものが急にしぼんでしまうような感じがして、なかなか思っていたほど感想が書けないことが続いている。このマークスの山も然り。
特に今回はやはり推理小説仕立てだったことがマイナスしていると思った。
この前に読んだリヴィエラもそうだったが、途中までは物凄く面白いのに、ラストの種明かし的な部分になって全然面白くなくなるんだね。

松本清張が推理小説のことを、「最後の種明かしの部分でついに文学になれない」的なことを書いていたような気がするが、そのとおりだな。
高村薫もあれだけ面白いのに、ラストにこだわるあまり、まとめようとしすぎてとたんに面白くなくなるような気がする。あの最後の遺書はいかにもで、ちょっと興ざめだ。

それでも高村薫は十分面白い。合田良いなあ。また読みたい。
というわけで次は「照柿」を読むはずだったが、図書館に行って愕然、無い・・・。
どうしようといろいろ図書館の中を歩いていたら司馬遼太郎の「尻啖え孫一」があった。まだ読んでいないわずかな長編司馬作品のひとつで、予定は狂ったが早速借りてきた。
最近司馬から離れていたがどうかな。読了まではしばらくかかりそう。楽しみだね。

2009年11月15日日曜日

リヴィエラを撃て

11/11(水)「リヴィエラを撃て」読了しました
久々の高村薫はやはり良かった。

読み始めたの10月26日だから結構長かった。図書館で1回延長、ま、長いほうが楽しめるわけだが。アイルランド紛争を背景にイギリスを舞台においての諜報合戦をよく書けてるなあ。
どうして女性にこんな男くさい物語が書けるのか分からない。性別は関係ないのかもしれないが。
最後に出ましたという感じで男色も出てきますな。

ラストのほうの種明かしはちょっと疑問。なんとなく分からないまま終わっても良かったと思う。
ジャックとケリー、手島とバーキン、シンクレアとバートン、モナガンとMG、ここらへんの男たちのからみだけで十分面白い。ラストの推理小説っぽいつくりは安っぽさにつながってるような気がする。

描写はとにかく骨太、硬質。どっしりと安定感。すばらしい。決して美しい文ではないのだが、読んでいて気持ち良い。

性が書けないのはどうしてかな?
男色好きと通じるのか???しかし晴子情歌みたいなのも書いてるしなあ、やっぱり女なんだよな、高村薫って。

手島さんのその後読みたいね。合田雄一郎につながっていくキャラなのかな。

で、今は「マークスの山」を読んでます。再読だけどあんまり覚えてないので面白いです。