2010年9月29日水曜日

深紅

昨日読了。
全体的に血の匂いがして気味悪い感じの小説だった。
サスペンスっぽくてまずまず面白く読ませるが、それ以上ではない。

ラストは一応ハッピーだけどすっきりはしてないね、登場人物の描き方も中途半端で全体に消化不良感が残る。
テーマとしては面白いと思ったが、重たいテーマだけにもっとひねるか、この結末にしてももっと深く掘り下げなければいけないのではなかったか。
文学賞を受賞してるようだけど、??と言う感じ。

作者の野沢さんって自殺してしまったんですね、ドラマは面白かったのになあ、と思って調べてみたら、私が見たのは「眠れる森」「水曜日の情事」くらいだった。名前はよく知ってたけど、意外と見てなかったようです。ただ小説については他の作品も読みたいとは思わなかった。

で、次は予定通り山崎豊子です、「二つの祖国」。
今日から読み始めてますが、日本人たちが苦労するあたりはこれでもかといった描写で、やっぱり山崎豊子ってこういうのが得意な作家なのかなと思いながら読んでます。

2010年9月23日木曜日

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

最近ようやくおさまってきたが、2か月くらい前から霰粒腫(さんりゅうしゅ)が出てきてた。
結構いづくいし痛みもあってつらかった。

最初に出たのは多分平成19年の夏頃だったと思う。
目がちょっといづい位だったのがどんどん大きくなって、目やにがひどい、痛みも強くてどうしようもなくなり、職場の近くの眼科に行った。そこがすごく変な女医の病院で、次回は摘出手術だと言われたのにびびって、家の近くの眼科にかかりなおしたら手術するほども無いとのことで、薬で何とかした経緯。

しかしその後も、患部が耳・鼻・口と、各部に移っていく感じで調子が悪くなり、結局はアトピー系のアレルギーがいろんな場所に出ているのかなと自分なりに納得し、付き合っていくしかないと半ばあきらめ気味に感じていたところでした。
最近だと、半年以上ずっと鼻が詰まって眠れず鼻炎薬のお世話になっていたが、これもアトピーの一種だと思っていたが、これがどういう具合か暑くなってきてから調子よくなってきていたので、別の部分に出るかなと思っていたら、ぐるっと回って数年ぶりに目に戻ってきたかんじ。

あんまりひどいので思い切って少し膿をつぶしたら、少しよくなってきて、今日はもう大丈夫かなという感じ。
平成19年のときは、両目の両まぶたに出たように記憶してるので、随分軽くすんだことになるかな。

しかし目って厄介ですね。
目って顔の中でも目立つので、ひどい目の状態で会議等があると困ります。
眼帯という方法もあるけど大げさになってしまうし。

で、最近は収まってきたんだが、ここ数日は風邪なのかのどが痛い。しかしひどく痛むので、もしかしたらのどに来たのかもしれない、と思い始めているところ。
鼻も最近調子良いけどいづれはまたつまるだろう。
今年は以上に暑かったが、ここのところ急に寒くなってきている。季節との関係もあるのかな?

沈まぬ太陽

昨日読了。
どうもまとまりの無い小説という印象で読み進めていたが、ラストは一応まとめてますね。
二度の挫折を味わいながらも辞めずにアフリカへ旅たつ主人公と、特捜部の捜査に驚愕するもう一方との対比は鮮やかなラストではある。
しかしやはりまとめ切れていない感も強い。

御巣鷹の事件がテーマとして大きすぎて、主人公の生き様がかすんでしまうんだと思う。的をどちらかに絞ったほうが良かったんじゃないかな。
また、ノンフィクションの要素も強いので、どうしても現在のJALの経営破たんと重なってしまって、主人公に集中できない部分もあった。
ラストも、ラストの絵としては作者の予定通りなのかもしれないけど、読者としてはこの先がまだまだ読みたい、消化不良感が強い。
あと細かい挿話が多い、主人公の娘の結婚話とか、行天の息子のこととか、その他もろもろ、中途半端に終わる挿話が多すぎないかな。すごく気になる。この作者はこういった書きかたをする人なんだろうか。
女性作家ということで、無意識に高村薫的な骨太な社会派的なものを期待していたが、読み終えてみると女性的な昼メロ調な作品だったようにも思える。特に悪者の腐敗振りを描くあたりが生き生きとしすぎていて、しかしどこか重みが無く、そういったあたりが昼メロ調な訳だけど、この作者はこういった部分が得意なのかなとも感じた。

ネットで調べると、この作品は賛否両論っぽいですね。
純粋なフィクションとしては面白いけど、やはりテーマが現実と重なりすぎていて、そういう意味では単純に楽しい小説ではすまないのかもしれない。そもそも作者の描きたかったことって何だったんだろう、よくわからなかった。
他の作品も読んでみたいですね。

というわけだが現在、野沢尚の「深紅」という作品を読んでいるところ。図書館で衝動借した本です。とりあえずこの本を読んでから山崎さんの他の作品を読むことにするか。

2010年9月20日月曜日

芽むしり仔うち

昨日大江健三郎の芽むしり仔うちを読了。
随分前に読んでた本だがメインの本の合間に読んでたので読了が遅れてました。

この頃の大江健三郎は良いですね、理屈ぬきに。
閉鎖された社会での理不尽さに対する反抗みたいなものが文章のスキマからも滲み出してくるような感じかな。
このあと結婚して障害のある光さんの誕生とともに大江文学も大きく変わっていくわけですが、その前の大江さんはこんなにも直球の作家だったんだなあという感じですね。

今読んでる「沈まぬ太陽」も5巻まで来たのでもう少し。
女性ながら骨太の社会派小説を期待してましたが、結構昼メロっぽいどろどろさがある小説だなあというのが今のところの感想ですね。ま、もう少ししたら感想書きます。