2009年10月26日月曜日

第四の手 2

昨日読了しました。
ハッピーエンドですが何か物足りませんな。アーヴィング的には短編っぽい作品。ディケンズ的な長編の面白さは無く、大きくうねるような起伏も無い。浮気男が真実の愛に目覚めるまで、といったところだが、そんなに紆余曲折したところは無く、あっさりした印象で終わった。
もちろん面白くなかったわけではないけど、物足りない感じは残りますね。

というわけで、今日は高村薫の「リヴィエラを撃て」を読みだしたところ。図書館に行ったとき衝動で借りてしまった本。高村薫は新リア王と新刊以外は全部読んだつもりでいたが、この本はまだだった。
出だしから高村薫らしく面白いです。設定や描写が緻密で神経質な感じもします。ここが高村薫だね。

高村薫の新刊は結構前にネットで図書館に予約したんだが、当時300番目くらいだった。昨日確認したところでは、今170番目くらい。皆さん地味に借りて読んでるんですね。いつになったら読めるのかな・・・

2009年10月19日月曜日

第四の手

今は「第四の手」を読んでます。アーヴィング。
読む本がピンチなので土曜日に図書館へ行って仕入れてきました。
大江健三郎はもう少しですがとりあえずアーヴィングを読んでしまう事に。大江は思ったより面白かったけど、村上春樹と比べると全然だなあ。ま、比べるのも変だが。

アーヴィングは久しぶりかな。「熊を放つ」もまだ途中だが読む気になれなくて、図書館で借りてきたのがこの本。オウエンや未亡人の1年も読みたいけど、まずはこの本にしよう。
相変わらずユーモアいっぱいで、残酷で、セックスがたくさんの本。
アーヴィングの小説って大人の童話みたいな感じですね。

2009年10月15日木曜日

スプートニクの恋人 2

スプートニク読了。
村上春樹な小説でした。ラストあのままで終わるのだろうと思ってたら意外な結末、ハッピーエンドと思ってよいのか。短編小説のラストみたいな幕引きで、そういう意味では村上春樹っぽくないともいえる。
僕が語り手の小説だと思ってたら、いつのまにかやっぱり僕の小説になっていたことにラストで気づかされた。そういう意味でも村上春樹っぽくもありそうでないとも言えそうですね。
春樹氏の小説は、登場人物は多くないけど、登場する人物、特に脇役が非常に魅力的だ。「僕」が極端にワンパターンなのに比べて、脇役は多彩で生き生きとしている。カフカの大島さん、ねじまき鳥のシナモン、この小説だとミュウ。こんな素晴らしい人物を創造できるのになぜいつも僕は同じなのだろう???

これでとりあえず村上春樹は終了です。1Q84のBook3は来年夏になるようなので、それまでは春樹氏ともお別れかな。
で、今は大江健三郎の「芽むしり仔うち」を読んでます。大江健三郎だ!!
悩んだ末、本棚の大江健三郎全作品に手が行ってしまった。面白いかな?読んだのは学生か、就職して間もない頃だったはず。20年以上前になる。大江健三郎全作品は、大学の先輩の女性にもらった本だ。彼女は大学時代の彼とまだつきあってるようだが結婚はしていない、不思議な関係を続けている。今どうしているのかな~。
ま、それは関係ないです。大江健三郎を読んでいきます。

2009年10月14日水曜日

スプートニクの恋人

スプートニクの恋人を読んでます。
中くらいまで来た。村上作品の主人公って皆似たような感じだが、年上の人妻がガールフレンドという設定は、1Q84と同じですね。
村上春樹の「僕」ってどうしても作者とかぶって見えてしまう。太陽の南の僕はジャズバーの経営をするけど、春樹さんもジャズ喫茶をやっていたような記憶がある。
春樹さんは奥さんと二人暮らしで、結婚も早かったような気がするが、人妻のガールフレンドがいる独身男性という設定は春樹さん個人と関係があるのか??????

スプートニクは僕が語り手になっており、今までの村上作品と違う感じですね。
後半にさしかかったあたりで、出ました、「あちらの世界」。
どういう展開になるのだろう。しかし半分以上きているから収束に向かうのかな。明日読み終わりそうだが、楽しみです。

話は変わるが、1Q84の続編だが、本当のところどうなのだろう。
新潮社は「ご想像に任せる」みたいなコメントをしているようだが、無責任すぎ、ちょっとイラッとする。Book2の終わりは誰がなんと言ってもおかしい。青豆の行動が唐突すぎ。これで完結しているという評論家もいるようだけど、物語としてはおかしい。
続編の余地は十分すぎるほどあるだけに、新潮社の思わせぶりなコメントは読者に失礼、不快です。

明日から何を読もう。
村上春樹のエッセイ「遠い太鼓」が候補だが、エッセイだと読み続けるのがしんどそう。
休みの間に図書館に行っておこうと思ってて忘れてしまった。ふむ・・・

2009年10月8日木曜日

国境の南、太陽の西

「国境の南、太陽の西」読了。
不思議な小説だった。大きな動きはないが激しい感情の起伏のある小説。
主人公は例によって「僕」、いつも出てくる「僕」だ。僕の淡々とした人生。幸せだが何かがかけている人生。大きな出会いと別れと再生。
考えたら他の村上作品も同じような内容だったのかもしれない。村上春樹は繰り返し繰り返し、自分とは何か、という問いに対する答えを小説で試みているのだろうか??
なんとなくノルウェイの森をちょっと違うベクトルで書き直したのかな、とも思った。
それにしても島本さんは不思議ですね。そういった、現実感のないところがまさしく村上春樹ですな。

明日からはスプートニクの恋人。これで村上春樹の長編も終わり。
久しぶりに図書館で本を借りてこようか。今は台風。土日も雨のようなので、図書館でゆっくり本を探すのもいいかな。

2009年10月5日月曜日

蛍・納屋を焼く・その他の短編

蛍・納屋を焼く~読了です。
蛍がノルウェイの森の元になった短編ということで読んだが、短編集としての面白さは全く感じなかった。
最近読んだ村上春樹の短編集「東京奇譚集」はまあまあ面白かったが、昔の村上春樹の短編はこんな感じだったかもしれない。はっきりと面白いわけでもないけど不思議と他の作品も読みたくなるような感じですね。しかしこの短編はよくない。全く面白くなかった。

この短編集はとても短かったので、今は「国境の南、太陽の西」を読んでます。
短編でははないが長編とも言いかねる、長めの中篇といった小説ですね。
例によって冒頭読んだだけだが、全然覚えてなかった。これから楽しみ。

次に読む小説だが、現在札幌市の図書館に、高村薫の新作長編~太陽を曳く馬を予約中。早く読みたいが、予約の順番は300番くらいだった。いつ読めるのか??

2009年10月2日金曜日

ノルウェイの森

ノルウェイの森、今日読了。
冒頭から結構うまい語り口でいかにも村上春樹。
しかしどうにも静かな話でイベントに乏しく、ちょっと読んでてつらいと思って読んでたら、上巻の終わり、直子の療養施設に行くあたりから俄然面白くなってきた。
考えてみると、1Q84やカフカは、最初から随分面白い、読ませる小説なわけだが、ちょっと村上春樹っぽくない感じもあって戸惑ったのだった。そういう意味ではこの本は非常に村上っぽい小説なのかもしれない。
この小説はあちらの世界も無く、単一視点で淡々と語られていくわけだが、これが村上春樹の本質かもしれないとも思った。

そしてラストまで一気に読んだが、不覚にも感動してしまった。
ノルウェイの森は大ヒット作品だっただけに、昔からの村上ファンとしては大衆受けしたこの小説を少し馬鹿にしていた部分もあった。
しかし読み返してみると、非常に内省的でいかにも村上らしい作品。余分な仕掛けもなくストレートな村上春樹が出てるのだなあ。

ラスト以降はどうなるのか気になる。冒頭の雰囲気からすると緑とはやっぱりうまくいかないのだろうか。ドイツに行って何をするのかな。永沢さんと会う??

自分ときちんと向き合った、非常にまじめな小説だったと思う。
映画化されるようだが、松山ケンイチがどう演じるのか楽しみ。
村上作品ってそういえば映画化は初めてなのかな。
あんまり映像化のイメージわかないね。カフカは映画向きなんじゃないかな。
これからどんどん映画化されるようだとまた楽しみが増えますね。

次はノルウェイの森にも出てきたグレートギャッツビーを読むつもりだったのに、本棚を探してもなかった、なぜだ???、残念。
で、村上の短編、蛍・納屋を焼くを読むことにする。
明日で今週も終わり。どれくらい読めるかな。