2011年12月28日水曜日

悪人


吉田修一さん、さっき読了しました。
映画が話題になってますが、小説で読みたくて、録画してあった映画を観る前に頑張って読みました。

なんとなく内容は知ってたのでオリジナル小説ならではのサプライズを期待しながら読み進めていましたが、さほどびっくりするような展開もなくラストまで来て、ラストでうっときました。
うーん、そうか、そういうラストもありか。すっきりしているようですっきりしていないけどこんな収束はたしかにありですね。
この小説はこのラストに向けて引っ張っていった感じ。途中の展開は陳腐だし、途中でモノローグを挟む展開もさほどの面白みはない。
しかしラストは良い。
こんな本もありですね。

2011年12月22日木曜日

赤い指


これも東野さん。さっき読了。最近ハマってきたかな?
東野さんって普通に図書館に行っても借りれないことが多いんだが、予約しておくと割と簡単に借りれることがわかったんで、これからも読みそう。

本作は加賀刑事もの。阿部ちゃんと重なります。
内容的にはいきなり暗い展開です。「さまよう刃」もそうだったけど、東野さんって結構グロ系というか、残忍な設定が好きなのかな。「魔球」も腕を切り落とすような話が出てきてちょっと気持ち悪かったし。
さわやか系、感動系、すっきり系のミステリー作家だと思ってたけど印象変わってきたなあ。

とはいってもさすがですね。
ミステリー系の人間ドラマ、家族ドラマになってます。事件と加賀刑事個人の話とが絶妙に絡んで、ラストはうっとなりました。
さすがは東野さんだなあ。


2011年12月21日水曜日

ラブ・ケミストリー


「このミステリーがすごい大賞」の過去受賞作を読もうと思って図書館で検索して、すぐ予約できたのがこれです。
実は読みたかったのは「このミステリーがすごい」の上位作品で、大賞(これはコンテストなんですね)ではなかったんですが、ネットで検索したらまずこっちがヒットしたんで、まあいいか。

作者は喜多喜久さんという方です。
さすがに賞をとっただけあってまあまあ面白い展開で、読ませます。もともとそんなに長い作品でもないのですぐ読み終えました。
軽妙なミステリー風SF風恋愛ドラマですね。
化学の全合成というテーマが面白かったけど、それだけかな。
ラストの収束も面白いけど不自然感もすごくあり。一目惚れの彼女を捨ててなぜ彼に走るんだろう??
まあ新人賞だからこんなものなのかな。

2011年12月17日土曜日

さまよう刃


12月16日読了。東野さんです。

重たいテーマ、重たすぎ、冒頭のあたりは読んでて憂鬱になってしまった。
このままでは終わらないだろうと思ってたらまあそのとおりの展開にはなったけど、ラストは平凡だと思う。
もっとあっという展開を期待していたんだが。
サプライズはなくもないけど本筋ではなく大したこと無し。
まあまあ面白くは読ませるが、全体的には失敗作だと思いますね。
最近の東野さんは推理ものと言うよりは本作のようなミステリー系の作品に作風が変化してきているように思う。
良いか悪いかは別として。
普通の推理ものが読みたいな。

警官の血



12月15日読了、佐々木譲さん。彼の警察小説の代表作らしいです。
たまたま根室まで出張だったのでその往復のJRの中で読みました。

TV化されてたことは知ってましたが見たことないはずと思って読み進めてるうちに、完全にではないものの記憶がよみがえってきてしまって、見ていたことがわかりました。
なのでラストを知ってるミステリーということになってしまい、微妙な読後感です。
というかはっきり言うとそんなに面白く読めませんでした。

総論的には、きれい事だけではやっていけない的な終わり方で、すっきりとした謎解きで気持ちよく終わるわけではないです。私としては初代の清二の印象が強いし二代目も正義を求めて悩むわけだし、そういう流れで三代目の考え方で終わるのって、ちょっと?が大きいですね。
あと、かなり長い話ですけど連作小説のような作りになっていて、長いテーマと短いテーマが巧みに語られていきますが、語り自体は巧みですけど、どうも分断感が強くて、長編小説としては読みづらかったです。この作者は基本的に短編作家なのかな?
分断される結果として、作中人物に対する感情移入もできないです。これがこの小説の最大の問題かな。清二は常に語られるから、清二に移入すればいいんだろうか。死んじゃってるしなあ。

作者は力のある方だと思いますけど、この作品については私としては点数低かったです。別の作品に期待。

2011年12月10日土曜日

魔球


またまた東野さんです。昨日読了。
若いころの作品のようですけど面白い、レベル高いです。

犯人は最後までわかりませんでした。
物語は複雑に広がってますが謎解きはすっきりします。
悲劇ですが後味は悪くないです。
ラストは必要だったのかなとも思いますが、あれですっきりした気持ちで読み終われるんですね。

さすがに東野さんという作品でした。

2011年12月8日木曜日

告白


湊かなえさんです。
人気作品なのであきらめてましたが図書館ですんなり予約できました。
図書館いいですね~。

しかし内容的には暗く救いのない作品。
こんなに暗い作品は私は初めてです。点数低いです。

最初の章はもともと単独の短編だったようですけど、これは切れ味鋭くいい作品です。
これを起点としてさらに書き進めたようですけど、レベルを保ててないように感じました。
特にラストにかけてA君が彼女を殺すあたりは唐突過ぎて??です。
またラストも現実味ないですよね。
救いようのない死が多すぎ。

映画もずいぶん評判のようですけど、私は見たくないなあ。
どうしてこんなに救いのない作品が書けるんだろう、この作家は好きになれません。

2011年12月5日月曜日

冬支度


土日は結構降りましたね。
でも除雪が今一つで道路の道幅が狭くなってしまい走りづらかった。
中途半端に雨が降ったのも悪かった。
札幌市の除雪は今年もあまりやらないのかな。
除雪経費って市民みんながある程度納得する支出だと思うけどどうなんだろ?

我が家では物置の整理と木の冬囲いをしました。
物置はまだまだ収納できそうで、イナバさんさすがです。安心感ありますね。
ただ自転車4台は無理なんで、1台は今年も外で越冬かな。
スキーは子供たちが大きくなって減ってきてたんですね、気が付かなかった。
スキーが必要なのは小学校だけのようで、我が家では1台あればいいそうです。お兄ちゃん達は学校以外ではスキーしないのかな?私が連れて行ってやらないのが悪いのかもしれないけど、今の子供たちはゲームにパソコンなのかもしれない。

木の囲いはさっと片づけました。
去年は急に降ってそれが凍って枝が折れそうでしたが、今年はそんな感じはないです。木って囲うことも必要だけど、枝切りも大事ですね。私はうまくできませんけど、きれいに伸びていくためにはある程度枝を切らなきゃだめなようです。そうしておけば囲うのもスムーズにできそう。
庭いじりも奥が深いなあ。

しかし最近私の体がいつまでもつのか少し不安です。
特にどうということもないんだけど、最近腰が微妙に痛くて。腰というか体の関節全般かな。ちょっと走っただけで動悸が止まらないし。
間違いなく年ですよね。もう50歳だから無理ないよな。
庭いじりとか屋根の雪下ろしとか、私が動けなくなったらどうするのかなあ。

皆月


これも義父用に借りた本です。
読んだことあったようにも思ったんですが私の読書リストには載ってなかったので読んでみましたが、間違いなく読んでますね。
うぃきで調べたら満月さんが芥川賞をとった年の作品でした。ゲルマニウムと同い年ということですね。
1998年というと今から13年前、平成10年?拓銀破たんの頃、稚内??
読書リストつけてなかったころですね。
稚内ではずいぶん本読んだけどリストからは失われてるんだろうか。
満月さん読んだのは稚内に行く前だったようにも思うが?????

作品的にはまあまあ面白いですが、大したことないです。
満月さんは不思議な作家ですね。典型的な直木賞系作家だと思うけど芥川賞とっちゃったしなあ。ゲルマニウム系は確かに芥川っぽいけど、いままでの暴力路線に宗教的な言い訳をつけただけのそんなに深くない小説のようにも思うし。
ブルースとか山崎さんとか、ああいうのが理屈抜きに面白いと思いますけどね。
そういう作家なんだと思う。
この小説もそういう流れの本だと思うけど、カッコよさはあんまりなくてしみじみ系です。そして異常に後味良いです。満月さんっぽくないようにも思うけど???

しかし満月さんは芥川賞とったあとも精力的ですね。
書きたいことがまだまだたくさんある感じだよなあ。
頼もしいですねえ。
私はもう読まなくてもいいかな、と思いますけど。

2011年12月3日土曜日

雑文集


春樹さんのエッセイ、というか雑文なんすかね、その集めたものです。
春樹さんについていえば、私は小説も好きですが、どちらかというとこういったエッセイ的なもののほうが好きなんで、新聞の書評でこの本を見つけた時にはすぐにでも読みたいと思ったもんです。

ただ最近は本を買うということをしていないので、図書館、予約待ちだとどれだけかかるのか、と思いながら時が過ぎていったわけですが、先日ふと思いついて図書館で検索したら予約待ちがない状態だったので、すぐ予約して、で、今読んでます。

春樹さんの何がいいかというと、とにかく文章がいいですよね。チャンドラーに通じるところがあるのかもしれない、大分違うけど感覚的に、軽妙で品の良い皮肉がちりばめられていて、読んでいて気持ちいいです。
さらに文章が美しい。谷崎や太宰を私は特に好みますが、その系列の美文家だと私は思います。
とにかく読んでるだけで楽しいです。

内容としては雑多です。
大体は軽めですが時に恐ろしく深い文章になります。ギャップが激しいですね。
春樹さんの評として「難しい内容を平易な言葉で描く」ということがよく言われますけど、その通りかもしれません。ただ「平易」かもしれないけど「わかりやすく」書いているわけでは決してないですよね。
独特ないい回しも多くて難しい部分は難しいままだと思います。
春樹さん的には「各自が感じた通りに解釈してください」ということかもしれません。
多様な解釈が成り立つということが春樹的なのかもしれない。

しかしエッセイ系は一気にに読みづらいですね。
期日が来ましたが予約が入ってるので延長は無理っぽいのでとりあえず返却します。
218ページまで。

2011年12月1日木曜日

ある閉ざされた雪の山荘で


東野さんです。
義父が札幌で入院してまして、少し回復したので何か本が読みたいと言われて借りたものです。単行本は重いので文庫本で、という注文でしたが、図書館って文庫は少ないですよね。とりあえずどんな本が好きかもわからないので無難なミステリーということで借りたうちの一冊です。

さすがは東野さん、面白いです。
本作はミステリーというよりは本格推理物です。犯人捜しを主人公と一緒に楽しむ本ですね。
しかし人間劇はしっかり描かれているし個人の書きわけもくっきりしていてわかりやすいし、後味も良いし、私は犯人は何となく途中でわかりましたけど、細部のトリックは複雑で謎解きも十分おもしろかったし、すごく良かったです。

難を言えばトリックが大がかりすぎるのか、全体に不自然感は否めないことと、人間劇をもっとじっくり書いてほしかったかな、という程度かな。
しかし東野さんははずれがないですねえ。