2022年12月1日木曜日

嫉妬/事件


短編が二編
表題作はシンプルな情熱の次になるのかな
あれほど好きだった彼に自ら別れを告げたにもかかわらず彼の次の彼女に激しく嫉妬する様を描く
自分でも押さえられない感情と行動を相変わらずの平易な一人称で詳細に描くがそこに物語はなく、私としては共感できるものは皆無だった。
もう一つは自らの若い頃の堕胎体験談
フランスは堕胎禁止なんだな、そこでの苦悩と生々しい描写だが今ひとつピンとこない

ノーベル賞作家をコンプしようと義務感的に読んだけど面白くなかった
最後に残った「凍り付いた女」は途中で止めた
両親を描いた作品は面白く読めたけど難しい作家だな

事件を読んで感じたことですけど
学生の頃大江健三郎を読んでいて、この作家にとって書く行為は彼が生きていく上で必要な事だと感じた。自分のなかの悩みや葛藤を整理して折り合いをつけて生きていくための手段なのだと。
多分アニーエルノーにとっても同じなんだと思う。
その結果によって生み出された作品が読者にどう評価されるかは別の問題として。
私には響いてこなかったけど、少なくとも賞を与えた審査員には強く響いたことになるのだと思う。

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