2011年6月14日火曜日

重耳


宮城谷さん読んでます。
現在中巻が終わって下巻に入ったところです。
普通に面白いけどちょっと今まで読んだ本と違うかな。
webで、宮城谷作品には、本人の話と、本人の周辺を描く話の2種類あって、重耳は後者の典型、と書いたサイトがあったが、まさしくそのとおりですね。
上巻は重耳の祖父、称の話です。勇猛で賢い人の、翼を滅ぼすまでの英雄譚になってます。徳とか礼といった言葉は無縁の人っぽいけど、なかなか面白い人として生き生きと描かれてます。
中巻は称亡き後の息子詭諸の話です。称が生きてる間は戦うだけで頭のないイエスマンでしたが、死んだ後は君主としてまあまあやりました。しかし晩年、驪姫にひっかかってからはただのおろかな老暴君になってしまいましたね。哀れなのはその驪姫もイケメンの優施にだまされてるあたりかな。その優施は称が滅ぼした翼の君主の子孫ということになっていて、史実か?宮城谷さんの創作では、と思わせるようなどろどろドラマですね。
詭諸の晩年は本当にちょっと理解しづらい、いくら老いてもこんなに簡単に若い女にだまされるものか、宮城谷さんの筆はあまりにドラマすぎるようにも思いますね。
そのあたりが今まで読んだ作品とやや違和感の感じる部分ですかね。
人生の教訓が詰まった本、というよりは面白い物語に仕上げてるような、そんな感じが、します。
下巻はようやく重耳の話になってます。今は放浪してるところです。
この話は、今まで読んだ宮城谷作品の本流を形成する話のようですね。介子推の章もあって、以前読んだ「介子推」なんて多分「重耳外伝」みたいな位置づけだよな。
しかし宮城谷さんの中国ものって、とにかく登場人物が多いし国の名前も多すぎて、ちょっと油断してるとワケが分からなくなりますね。
最近登場人物の系統図みたいなものを作ってます。
各作品の登場人物の図をまず作って、他の作品のそれと重ねるというか、つなげるようなことをしてみたい。
そうでもしなければ体系的な理解が難しい。
まあそんなふうに理解しなくても十分面白いんだけど、なんとなくそういうふうに自分的に押さえておきたいと思います。
なんだか学生の頃に戻ったような気分。

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