2009年7月28日火曜日

世界の終わりとハードボイルドワンダーランド

昨日、村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」読了。
2回目だがほとんど覚えてなかった。
あっちの世界とこっちの世界、村上春樹の共通テーマだが、綺麗に理屈は出来てる。村上春樹らしくない感じもある。
絶対的な悪のイメージがない。常にあると思ってたが初期はなかったのか。損なわれる、という言葉は出てくるけど。
自分の中に入っていく話だなあ、後半どんどんセリフが思索的になってくる。
語り口はうまくなくて、ところどころ読むのがつらい部分があった。冗長になっていると思う。今の村上春樹は本当に語り口がうまくて、飽きさせない、プロの作家だが、この作品ではそこまで徹底されてない、逆に詩的で純文学っぽい部分もあった。

「1Q84」を読んで、とにかく読ませる、面白かったんだが、もやもやしすぎてもいて、村上春樹ってこんな感じだったかなと思って昔の長編を読んでいるところ。
「カフカ」はすでに読み終えた、これも2回目だけど、すばらしかった。あっちの世界とこっちの世界というテーマは変わらず。絶対的な悪との戦い、ロードムービーっぽい冒険もあり、少年の大人への成長もあり、最後は前向きに終わる、読後感のすばらしく爽快な小説だった。

次は「ねじまき鳥」だけど、ちょっと休むかな。

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