2011年3月30日水曜日

宮城谷昌光


今読んでるのは砂中の回廊という作品ですが、良いです。面白い。
司馬遼太郎が認めた作家ということで司馬遼太郎作品とかぶりながら読んでるんですが、そのせいか結構かぶります。
一人の人物を描いているところ、淡々としているところ、分かりやすく感情も豊富に描写しているところ、そして大事なことは歴史的な事実を淡々と述べながらそこに我々が今生きて行く上での教訓がきちんと伝わってくるところ。
SFと純文学が好きだった私が歴史物を読み出したのは、というより司馬遼太郎を面白いと思うようになったのは、数年前。多分人生も半ばを過ぎたあたり(たぶん)。
自分が生きて行く上で、先人の知恵を学びたいと思うようになったからだと思う。
私が日々直面している問題って、おそらく歴史的には何度も何度もいろんな人が繰り返しぶつかった問題なのではないか、そういった人がどのように考えどのような行動をとったのか、それを学ばずして一体何を学ぶのか、と思うようになってからだと思う。
そういう意味で司馬遼太郎は一つの答だったし、この宮城谷も答えを与えてくれているように思う。
そういう意味では歴史ものって若いうちにこそ読むべきなんだが、そもそも先人の知恵に学びたいって思うようになったこと自体が最近だし、要するに年をとらんとそう思うようにはならないということなのかな。私が愚かなだけだったんだろうか?
もっと若い時から読んでおけばよかったなと思っても後の祭り、という私の感想自体も、今後なんども人類によって繰り返されることになるのかな???
実はこの作品はまだ上巻を終わったばかりですが、ようやく司馬ではない歴史作家を見つけたように感じたのでついうれしくなって感想を書いてみたのでした。

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