2011年7月14日木曜日

シリウスの道


12日に読了。藤原伊織さんです。ミステリーですね。
昔テロリストのパラソルを読んでかなり面白くて感動しましたが、すごく寡作な作家で他の作品を読めないまま今にいたってましたが、先日図書館で発見してすぐ借りておいた本です。

中盤まではものすごく面白いです。
広告のプレゼンコンテストと、暗い過去をひきずった脅迫事件が微妙にクロスして、ぐいぐい読ませます。
しかし終盤にかかって面白さがすっと引いていく感じでした。
実に平凡な収束で、サプライズも殆ど無い。
そう思いながら読んでると細部のつくりも非現実的に思えてきて、ミステリー本来の作り自体に無理があるような気もしてきて、とにかくちょっと残念な作品でした。

メインの3人は皆魅力的に描かれていてもっと読みたいと思ったし、代理店の人物も皆活き活きとしていますが、肝心のメインストーリーがこんな感じでは面白さも半減。
つくりはうまい作家だけにちょっと残念でした。

しかしこの作家はもう故人なんですね。
若いのに勿体無かったと思います。
次の作品に期待、というわけにはいかないんだなあ。

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