2012年2月22日水曜日

わが手に拳銃を


高村薫さんです。
出だしの一行から高村さん、グッときましたね。
この人の文章は良いなあ、硬く乾いてるのに人間が行間に見え隠れする。
私はこの人の小説を読みたいんじゃなくて文章を読みたいだけなのかもしれないなあ。

前半のハイライトは倉庫に行く場面ですね。「これは君の心だな」なんてセリフが得体のしれないギャングからどうして飛び出してくるんだろう。火をつけられてから脱出までの描写の生き生きとしていること。素晴らしい。
それに比べると後半はちょっとゆっくりかなとも思うけどラストにかけては疾走しますね。
エピローグは無くてもいいかな。スカっと終わりすぎ。これじゃアクション冒険小説だな。

私としては李歐を読んでるので再読ですが、ほとんど記憶になかったのですごく楽しく読めました。
高村薫はいいですねえ。
しかしどうして女性にこんな男の話が書けるのかずっと不思議だったんですが、考えたらボーイズラブ系のマンガって多分女性の漫画家ですよね。
小説も同じってことかな....

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