2013年1月28日月曜日



綾子が主人公らしい自伝四部作の最初、たまたま図書館で選んだ本だったけど最初を選べてラッキー、だったのかな?この後は春燈、朱夏、仁淀川と続くらしい。
櫂の読み始め、単純な(?)小説っぽいものに対する不満のようなものを感じた。
女性の苦労の半生を描く的なものを読むことに何の意味があるのかといった疑問。
それは塩野七生に対する敬意の延長にあるんだと思うけど、私は楽しくて小説を読んでるのでそこに意味は必要ないんだが、そんなことを思ったりしてしまった。それは実は一弦の琴でも感じたことだったが、読み終えた後の感動って塩野七生とはまた異質なもので、強いて上下をつけるなら宮尾さんが上ですね。

文章は練られていてなんと言っても品がある。
塩野七生は文章が下手すぎ、小学生的な意味での下手な文章にしばしば出くわして、本当にプロの作家か?と感じたりとか、女性特有の非論理的な文章だと感じたりとか、しかし宮尾さんは違う、練られた文章でプロを感じる。

文章を読んでいて高村薫を思った。宮尾登美子を研究したのかな。
しかし高村は女を描かず、不自然なほど男を粗暴に描く。宮尾の描く女の強さを高村は描けないとあきらめているのかも??

弁え、この言葉が多用、日本人だなあ、自己主張の反意語かな。一弦の琴でも出てきてた言葉、宮尾さんのベースなのかも。

しかしそれにしてもラストは寂しすぎますね。続編を読まざるを得ません。というか、最後になりましたが面白いです。人間というのは、こういうものなのかなあ、と思いながら読みました。

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