2013年1月10日木曜日

ローマ人の物語2 ハンニバル戦記


塩野七生さんのローマ人第二巻。といっても文庫で読んでるんで3・4・5巻になります。
年越しで読んだので正月あいだがあきました。

随所に塩野さんの雑感みたいなものが挟んであって面白かった。
塩野さんの歴史物とは何かに対する答えも冒頭の雑感にあった。
塩野さんの歴史は「叙述」だそうだ。なるほど。
叙述と書かれると淡々とした客観性みたいなものが想像されるけど、塩野さんの叙述は思い入れたっぷりで楽しいし、叙述といっても視点の選び方ひとつで全く異なるものになるわけで、そこには主観が入り込まざるをえない、決して淡々ともしてませんね。

しかしこの巻のローマ人はなんとも魅力的。
負けるローマ人も、勝つローマ人も、いずれも誇り高い。
ハンニバルという圧倒的な力を前にしてローマ人という個性が浮き彫りにされてます。
強大な敵こそがローマになお一層の繁栄をもたらしたという視点、その視点にたった「叙述」はなんとも面白いものでした。

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