2017年10月1日日曜日


角栄ものです
本書はご子息の田中京さんが書かれたモノ
あんまり期待しないで読んだせいもあるかもだが結構良かった

偉大な父を持った妾の子どもの苦悩みたいなモノはあったのかもし
れないけどほとんど描かれることはなく、そこには作者の鷹揚さみたいなモノを、長男的なのかボンボン的なものかはわからないけど、感じて、それは決して嫌みではなかった

むしろ誰しも経験しているような普通の親子関係が描かれていて、角さんをすごく身近にも感じることが出来た
それだけに真紀子の頑なさが際立つ結果になっている
その真紀子に対して
たとえほんのひと時でも恨みに思ったことはない
と血のつながった姉を愛おしむように言い切る作者に人間性を感じ

田中角栄に対する金権政治家・利益誘導型的なイメージは物凄く強い、これは日本人の一般的な感覚だと思う
しかしマスコミ報道に踊らされてる部分は間違いなくあるだろうし裁判も物凄く変なモノだったようだ
我々は少し偏った田中角栄感を持っているのではないだろうか
真紀子の頑なな態度がそれを助長したことは間違いないと思う

慎太郎は政治家としては田中角栄の反対側にいたようだけど、作家として再評価して世に問うたことは素晴らしいことだったんだなあ、などと改めて思いました

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