2022年10月12日水曜日

シンプルな情熱


アニー・エルノーさんの三冊目
全二作といくらべるとフランス社会に関する叙述は一切無く書くべき対象としての人物も無く、物語も無く、ただ一点、作者の「情熱」についてだけ書かれている。
相変わらず文章は簡潔でわかりやすいけどユ-モアやウイットに富んでいるわけでは無く詩情が溢れているわけでも無いこの作品をどう捉えたら良いのかわからない
作者はただ書くことでしか、愛人と離れ持って行き場の無くなった自分の「情熱」に向き合えなかったのだと思う
そういう極めて個人的な行為の記録が本作なのだと思う

フランスではベストセラーだったらしいので、多くの共感を得たのだろう
恋人と離れ苦しんでいるときに読めば何かを与えてくれる作品なのかもしれない
でも私にはわからなかった、残念だけど(-_-)

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