2012年12月8日土曜日

ローマ人の物語1 ローマは一日にしてならず


いよいよ塩野さんのローマ人を読むことに。
これははっきり小説ではなく歴史ですね。
でも面白いです。
古代ローマの人物たちが生き生きと描かれていて、もっと書いてくれよと物足りなく感じるところも。

チェーザレと比べると文章も随分良くなってると感じます。
チェーザレは物語は起伏に富んでるけど文章自体は平板というか、歴史を学んだ学生の卒論みたいなというか、素人っぽいというか、そんなふうに感じましたが、ローマ人は結構ツヤがあるというか、こなれているというか、物書きっぽくなってきたなという感じ。

そして本書は作者自身の「なぜ」を作者が作者なりに解決していく読み物でもあり、説得力があるかどうかは別として、作者の真摯な気持ちが伝わってきますね。
我々が歴史を学ぶ意義もまさしくここにある。
歴史のなぜを解き明かすことで我々の今後の道標が見えてくる、改めてそう感じました。

しかし難点を一つ。
ところどころ文章にわかりづらい表現があり、ちょっと気になります。
具体的な例は挙げないけど、作者が一人でわかってて作者には伝わらないような書き方をしてる部分があります。
こういうのってプロの作者としてはどうなんだろう???
私が理解できてないだけかな。でもチェーザレでは感じなかったんだけどな。
次の作品で確認してみよう。

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