2019年9月20日金曜日

灰色のためらい


事件が起きて警察が捜査を始めて犯人を捕まえるという基本的な流れをガラリと変えた作品
 一人称で何が起きたかさえわからずに物語は進む、そんな物語を読ませるのは単純に作者の筆の力だ
そしてクライマックスへ、ドキドキしてホッとしてびっくりして終わった
キャレラもちゃんと出てくるし87分署シリーズに間違いは無いんだけど、彼らは極上のスープのだしにすぎない
マクベインの名人芸を読めた事に感謝

ただ一つだけ、邦題が・・・
He , Who hesitate
私は直訳で十分だと思うけど、それでは足りないと思ったんだろうな
これだけの作品だし、訳者さんもかなり悩んだと思うが、「灰色」はどうなんだろう??

ある意味犯罪者の異常心理を描いてる側面も
これから寝ることになるだろう女性の笑顔を見て、笑っても綺麗な顔にはならないんだなと言わせたマクベインの筆の冷たさに異常心理を見たような気もした

0 件のコメント:

コメントを投稿