2011年5月14日土曜日

千日の瑠璃


丸山健二ですね。
GWをはさんで、次の宮城谷作品をどれにしようと思いながら何となく借りてしまった本ですが、ちょっとのつもりで読みだしたらやめれなくなりました。

うぃきで調べたら1992年になってるんで今から19年前、平成4年になるんですね。当時新聞広告で見てすごそうな本、読みたいなあと思ったのを今でも覚えてますが、随分たってから読んでることになります。
今では文庫でも出てるんですね、アマゾンで見たら帯に「この作品が日本文学を変えた」とありました。そうかな~、と思いますが、確かに画期的な作品ではあったかのもしれない。

フォークナーの「死の床に横たわりて」どころではなく、視点が千というのはすごい。そしてちょうど千ページ。
ただこの作品のすごいところは実験的な手法という実験性が前面に出ているわけではなく、この描き方が自然に思えてくるところかな。まほろば町を描くためにはこの手法が最適だったのであって、手法が先にあったわけではないのではないか、と思わせるところ。ま、多分手法が先にあったんだとは思うけど。

面白いことにこの視点は生き物や物体に留まらず、感情のようなものにまで及んでいる。「私は恥だ」みたいなページもある。
そしてしばしば物語に関係ない、詩のような内容にもなっている。
すごいな。作者も1000日、修行のように机に向かって書き続けたんだろうか。
もともとすごく文章に力があるひとだけど、そういうものとはまた別な重みが各ページにありますね。
まだ上巻も読み終えてないけど、面白いですよ。


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