2012年1月11日水曜日

警官の紋章


佐々木譲さんです。
道警シリーズの三作目、おなじみの佐伯さんや津久井さんが活躍します。

第三作目となって読み手側も前作以上の面白さを求めるし、ちょっと難しいのかなという感じ。
本作は過去の警察不正、自殺警官の復讐、サミット警備の三本がからまって展開するが、収束感はあんまりない、なんとかまとめた程度の出来で、詰め込みすぎ感あり。
特にサミット大臣の部分は警護側の人間関係を描くだけで事件がほとんど描けてないのが不満。
内容的にはのんびりしたものではないけど、ノンストップ感がないのも話を拡散させすぎた結果だろう。
第1作目のモチーフを使って掘り下げていくあたりは1作目からの読者にとってはうれしい限りだけど、完成度は低い。
もっと単純な話にしたほうがいいんじゃないかな。

とは言っても面白いですよ。
シリーズ化した以上、シリーズ物としての面白さを積極的に取り入れたほうがいいと思いますね。佐伯さんと小島さんの関係をもっと話しの大筋に持ってくるとか。
次の作品は「巡査の休日」というらしいけど、これも読まなきゃなあ。

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