2012年11月22日木曜日

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷


塩野七生さん、初めて読みます。
「ローマ人」が出版された頃から読まなきゃと思ってましたが読めないでいた作家。
最近佐藤賢一さんの西洋史ものを読むようになったのがきっかけで、なんとか読むことが出来ました。

解説にもありましたが、小説なのか伝記なのか単なる歴史を叙述しただけなのかよく分からないと感じながら読み進めましたが、読後感としては結構良かったです。
こういう書き方はこの作者のスタイルなんですかね。淡々とした叙述の中にほんの少しだけ思い入れみたいなものも混じっていて、そこがちょっと良いです。

そもそも歴史そのものが面白いのかな、まさしく「小説よりも奇」ですね。
いや、塩野さんが書くからそう感じるんであって凡庸な作家の手で書かれるとただのつまらない歴史の叙述に終わってしまうのかも。
単なる叙述ってありえないよね、書くからには書くこととどこから見て書くかは最低限決めなければならない、ここには作者の主観が大きく入り込んでくるから。やはりこれはジャンルはなんでも良いけど塩野さんの作品なんだよな。

主人公はチェーザレだがほとんど内面描写的なものはなく読んでいても中には入っていけない、でも読み終わったら十分面白いしチェーザレ像は鮮明に残る。
マンガの「チェーザレ」と頭の中でダブらせながら読んだので純粋な本の感想になってないかもしれないけど、まあ、面白かった。
塩野さんはまた読もう。

0 件のコメント:

コメントを投稿