2012年11月30日金曜日

廃墟に乞う


佐々木譲さん。直木賞受賞作らしい。
先週三連休だったが、ついつい最後の日曜日になって図書館に本を返しに行ってぶらぶら本棚を眺めていたら、道尾秀介とか佐々木譲とか、いつも貸出中の作品が結構返却してあってつい借りてしまった本。

佐々木譲の短編連作といえば私が佐々木譲にハマった最初の作品「制服捜査」以来。
しかし短編連作というジャンルで直木賞がよくとれたなあ、さぞかし、と期待して読んだだけにちょっとがっかりというのが読後感。

短編としては普通におもしろいけど、連作というところに短編同士の有機的なつながりを求めて読んだだけに、期待していたほどのものはなく、そういう意味では「制服捜査」のほうがずっと面白かったと思う。
この作品はそれなりに、犯人が捕まる前にさっと主人公が身を引くあたり、新しい読後感を楽しめるわけだけど、直木賞を取るほどのものとは思えなかった。

佐々木さんは十分力量のある作家で、もっと前にとっておいてもおかしくなかったように思う。
作品を間違ったんじゃないかな、文春は。
それは佐々木さんの罪ではないよな。

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