2013年7月27日土曜日

イタリアからの手紙


塩野さんのエッセイ。
歴史エッセイ的なものを期待してましたが普通の現代のイタリアがらみのエッセイと、一部短い創作ものっぽい掌編も入ってます。

エッセイは普通ですね、西欧史に詳しい日本女性がイタリアで経験するいろんなこと。自由にのびのび書かれてる感じです。
それよりも創作ものが結構面白いです。あんまり歴史に関係ない、医学生の学校の様子やら田舎勤務のことごとやら。
塩野さんってこういった創作もの、普通の小説を書きたい人だったのかなとちょっと驚いた。歴史が好きで歴史を書きたいのだと思ってたけど、もともとは創作系???創作も歴史も好きで結果としての融合形態???

歴史上の人物の造形にも、客観的な姿勢と言うよりは思いっきり塩野さんの「創作」が入ってたりするのだろうか??
うぃきでカエサルの事を調べたとき、借金返済のために略奪的なこともやったと言うことが書かれていて、塩野さんはそういったことは一切書いてないので、塩野さん的には歴史考察の上で事実とみなせず書かなかったのかなと想像してたが、単に自分のイメージと違うので書かなかっただけだったりして。
それでも読むほうとしては全然かまわないけどね。

今度はそういう「普通の」塩野さんの小説も読んでみたいな。
宮城谷さんの現代小説も普通に面白かったし、作者を「枠」にはめないでいろいろ読みたい。
勿論作家もそうしたいんだろう、でも一つの分野である程度確立してしまうとその分野の外に出るのは大変なのかも。

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