2013年7月27日土曜日

剋 戦国鎌倉悲譚


今回の直木賞は桜木紫乃さんでしたが、要するに候補となった作者さんはそれなりに面白いということだよなと思い借りた作家さん、伊東潤さんです。
今回の伊東さんのノミネート作品は「巨鯨の海」ですが、予約がすごいので本作を借りて読みました。

なお桜木さんの受賞作は予約済み、500人以上待ちなので来年になりそう。
話はそれますが桜木さんって私と近い年齢で、住まいも江別なんですね。お子さんもいらっしゃる普通の主婦の方のようですけど、好きな道をこつこつ続けていればいつかは認められる、そういう典型のようです、少し勇気付けられました。

で本作ですけど、作者さんは武田系の専門家のようですが、いきなりいろんな地名・人名がたくさん出てきて戸惑うというか覚えられないというか入っていけないものがありました。歴史ものって多かれ少なかれそういう側面はあるのだろうけど、本作はちょっとひどいと思う。私はまず漢字が読めないと頭に入ってこないので、初出にはルビ振ってあるけど、しばらくはずっとルビ振るなり、家系図をつけるなり、地図をつけるなり、何か工夫してほしいと思ったのが第一印象。

しかし読み進める意外と人生の悩みの話だったり恋の話だったりして、硬い歴史ものでもないです。
顔を焼くあたりやラストではぐっと来るものもありましたが、全体通すといまひとつかな。
テーマだけ考えると短編小説っぽいような、長編にするほどの深みが欠けているような。
上手くいえませんが、お話としてはまあまあだけど何か物足りなかった。

さらにこの作者を読むかどうかは微妙だなあ。

0 件のコメント:

コメントを投稿