2016年5月26日木曜日

われわれはなぜ死ぬのか


柳澤桂子さん、生物学者だそうです
上橋菜穂子さんが鹿の王の後書きの中で本書に大きく影響されたと書かれていたので早速借りてみた本
図書館のweb予約は今更だけど素晴らしいです!!

冒頭の淡々とした死の叙述にまずは驚かされた
死がテーマの本となると自分の中ではまずは哲学的な思考に備えていたと思うんだが、見事に裏切られた
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 女王バチが成虫になると一回だけ結婚飛行をする。このあいだにいろいろな雄と何回も交尾して、一生使うだけの精子を貯精嚢に保存する。女王と交尾する雄は、女王の貯精嚢に精子を瞬間的に注入し、陰茎の末端を女王の体内に残して、ほとんど瞬時に死んでしまう。
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こういうハードボイルドな叙述が延々と続く

文章だけで無く内容的にももきわめて興味深いものだった
高校で学んだ生物学のおさらい的な事を含めて、死という視点で生物を見ることができて非常に面白かった

しかし読み手の私としては、最後に「精神」はどこにあるのかなと考えてしまった
全ては二重らせんの中で完結してしまうのか

小学生の時、人間は動物では無いと言っていた教師のことを私は馬鹿にしていたが、精神は細胞体の外側にあると考えるのは同じような意味で馬鹿げたことなのか??

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