2016年9月29日木曜日

菊亭八百善の人びと


宮尾登美子さんです
いつものキリっと引き締まった文章と比べると少し柔らかい感じになってますね
内容的にも、辛い中でも頑張って生きていく人々っていうよりは、過去に引きづられながら落ちていく人々を淡々と描いてます

小説としては中盤、なまめかしい雰囲気が漂ってきてから俄然面白くなります
宮尾さんって高潔な感があるけど小説のなかでは不倫は普通に出てくるし、人間を描く上で避けて通れないというか、そういうことを積極的に描こうとしているように感じます

新生八百善なるか?
というところで終わってるので続編が読みたいようにも思ったけど、これはこれですね
谷崎的な意味での緩さを感じた作品でした

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