2019年8月28日水曜日

明治天皇を語る


日本文学者のドナルド・キーンさんの講演録
慶喜ものを読んで相手方とも言える明治天皇のことを知りたくなって入門書として借りてみた

何となく偉大な天皇だった、という印象があって、多分小学生の時の担任の説明が頭に残ってたんだと思う
しかしどう偉大なのかはほとんど知らなかった
この講演録は天皇に関する逸話の積み重ね的なもので良く理解できたとまでは言わないけど、何となく雰囲気は伝わってきた
キーンさんは大帝と言えるのは同時代で明治天皇だけだったと評していて、それは日本人では無い人が世界史を眺めたうえで言っているだけに説得力もあり日本人としては嬉しい
しかし人間的に自分に厳しく平和を常に願っていたという天皇像はあまりに人間的で違和感が残った

昭和天皇は終戦を境に生神から人間になった人だが、明治天皇は日本人にとっては神そのものだったと私は思っていた
その生神の偉大さを普通の人間のベクトルで語られた事への違和感だと思う
キーンさんはそういう意味では非日本人らしく客観的に淡々と講演したんだと思うけど聴いた側の日本人としてはどうだったんだろう?

いずれにしてもこの違和感はかなり個人的なモノ
明治天皇の入門書としては良い本だったと思う
大政奉還の頃の日本人はそもそも天皇が本当に存在するかどうかも知らなかったというあたりもリアルで面白い、日本人ならこんなことは書かないかもしれない

キーンさんの大著「明治天皇」にも興味があるけどこれは英語で書かれてるようで、翻訳物みたい
日本語も堪能な方だったと思うが、なぜ英語で?
外国人向けに書かれた本ってことか
でも自分で訳すこともできたんだろうけどなあ・・
読んでみたいけど・・・

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