2019年8月30日金曜日

10プラス1


冷酷な大量殺人事件を扱っているが死の描写は詩的で美しい
一転して家族の哀しみはウェットで胸に迫る筆に変わる
そして捜査は客観的に坦々とすすむ

こういった自在にかき分ける筆致が作者の高い技術でありこのシリーズの特徴のように思えてきた
面白いです

本作は唯一私が大昔、学生の頃に読んでいた本だった
タイトルだけで内容はほとんど覚えてなかったけど、読んでいる内にうっすらと内容が頭の中によみがえってきて、ほぼその通りに終わった
いつも通りラストは一気だが、余韻を持たせながら刑事達は次の事件に向かう
安心して読めるシリーズの一作になっていた

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