2021年1月22日金曜日

我らが少女A

 
高村薫さんです
相変わらずの高村節でこの文体がどれくらいの読者に支持されてるのかなと少し心配になるけど、市の図書館はまだ無理で道の図書館でやっと順番が回ってきたことを考えると杞憂なんでしょうね

ふとしたことがきっかけで未解決の殺人事件の再捜査が始まるが、作者が書きたかったのは事件の真相よりは事件を取り巻く人々とその後と言うことだろう
被害者家族、容疑者家族それぞれに人生はあり続いていく、それが精緻に克明に描かれていた

中心は明らかにADHCの若者であり彼の語りは実に生き生きとしている、そういえばマークスの山の主人公もこういう人だったような?
今のゲームとかSNSが道具としてふんだんに使われていて、年寄りの私にはついて行けない部分もあった、高村さんはこういうことも小説のために勉強しているのか、単に好きなだけなのか?

高村さんはこれからも読み続けたい作家の一人だけど、レディ・ジョーカー以降は随分作風が変わりましたよね
私としては晴子情歌は十分楽しめたけど太陽を曳く馬は微妙だった
昔のような作品をまた読みたいなあと思ったりもしました

0 件のコメント:

コメントを投稿