2021年1月9日土曜日

わるいやつら

清張先生です
面白いんだけど結構な長編でややなかだるみ感もあった
先生の小説は細部がすごく書き込まれていてリアルなんだが伏線として将来生きるのかどうかは当然わからないので全てに集中して読み進めるのはちょっとしんどかったりもしますね
特に長編だとそれを感じます

終盤は種明かし的な展開だがそれほどのどんでん返しは無く、淡々と物語りは収束していくものの、ラストの数行はすぱっと切れてた
いわゆる悪漢小説として読んでも全体に淡々としすぎていて人を殺すにしても激しい葛藤のようなものは描かれず、あくまで自己中心的な動機と楽観的な考え方で事件を起こしていく主人公には感情移入も難しく、変わった味の小説だと思ったが、ラストで何となく落ちた気がした

世の中には悪いやつがいるが、上には上がいるって話ですよね
主人公はただの道化で本当の主人公は別ににいる、でも語られることは無い
そこらへんが良いですね、「けものみち」とも通じるような
松本清張面白いね、いまさらですが

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