2011年4月12日火曜日

情に棹させば


漱石だが、ずっと、流れに逆らうの意と思っていたが、違うらしい。
「棹さす」は舟を進めることなので、流れに乗っていくとそのままどんどん流される、ということらしい。
そうかな?

この草枕の冒頭は、
知に働けば角、情に棹させば流、意地を通せば窮屈、人の世はすみにくい

となっていて、フレーズは4つで、3つ例示して最後が結論という構成と私は思う。
この3つの例示は、最初と最後は「頑張れば大変」という意味だから、並列しているとすれば二番目も「頑張れば大変」の意でなくてはならず、だとするとやはり流れに逆らうの意ではないだろうか?
この考えはあくまで3つのフレーズが並列しているという前提だが、並列でなければこんな感じになってしまう↓
「頑張ると大変」「頑張らないとだらだら」「頑張ると大変」「とほほ」
これはちょっと変じゃないか?
こうしたければ、3番目が余計だ。
「頑張ると大変」「頑張らないとだらだら」「とほほ」
とすべきだ。
3番めを生かしたいのなら、
「頑張ると大変」「頑張らないとだらだら」「頑張るとやっぱり大変」「とほほ」
とでもするべきだろう。この場合3番目につけた「やっぱり」がないと意味が分からなくなる。
従って、「頑張ると大変」×3「とほほ」
の構成と解すべきと思うんだがどうだろう。

そもそも「棹さす」のは、確かに舟を進めるためなんだろうけど、舟をその場所にとどめておきたい場合も「棹さす」のじゃないだろうか。そういう時はまた違う言葉を使うのかな?

「棹さす」は舟を進めることなのでその読み方は間違いです、一件落着。な~んていわれたら話はそこで終わっちゃうんだが、どうもぴんと来ないという話です。

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