2011年12月17日土曜日

警官の血



12月15日読了、佐々木譲さん。彼の警察小説の代表作らしいです。
たまたま根室まで出張だったのでその往復のJRの中で読みました。

TV化されてたことは知ってましたが見たことないはずと思って読み進めてるうちに、完全にではないものの記憶がよみがえってきてしまって、見ていたことがわかりました。
なのでラストを知ってるミステリーということになってしまい、微妙な読後感です。
というかはっきり言うとそんなに面白く読めませんでした。

総論的には、きれい事だけではやっていけない的な終わり方で、すっきりとした謎解きで気持ちよく終わるわけではないです。私としては初代の清二の印象が強いし二代目も正義を求めて悩むわけだし、そういう流れで三代目の考え方で終わるのって、ちょっと?が大きいですね。
あと、かなり長い話ですけど連作小説のような作りになっていて、長いテーマと短いテーマが巧みに語られていきますが、語り自体は巧みですけど、どうも分断感が強くて、長編小説としては読みづらかったです。この作者は基本的に短編作家なのかな?
分断される結果として、作中人物に対する感情移入もできないです。これがこの小説の最大の問題かな。清二は常に語られるから、清二に移入すればいいんだろうか。死んじゃってるしなあ。

作者は力のある方だと思いますけど、この作品については私としては点数低かったです。別の作品に期待。

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