2016年7月26日火曜日

翻訳夜話2 サリンジャー戦記


春樹さんのライ麦を探してる時に偶然見つけてすぐ借りてしまった本
春樹さんと翻訳家の柴田元幸さんのライ麦を巡る対談集、というか、解説というか翻訳苦労談というか、ですね

最後の「Call Me Holden」でぶっ飛んだ
後段はあんまり面白くないけど前段のパロディは傑作、好きじゃないとこんなものは書けないと思う、というか書こうとすら思わないだろう。柴田さんのライ麦に対する愛のようなものを感じた

フィビーがホールデンのことを「あなた」と呼びかけるところは私もすごく気になったというか、良いなあと思って読んだので、春樹さんとしてすごくこだわりのある部分だったと知って少しうれしかった。
「あなた」が駄目と言われたらこの翻訳はやらなかったと、本当にそこまでのこだわりがあったかどうかはわからない、春樹さんのリップサービスかもだけど、誰にでもこだわりはあるよなあ
やっぱり翻訳って原作者と翻訳者の共同作業だよな

博物館で変わるのは私たちだって部分、ここもすごく気に入ってたんだけど、ここのすごくわかりやすい言い回しを含めて、柴田さんが評価していることも面白かった

30歳でこんな小説が書けたサリンジャーはすごい
というか、やはり精神的にトラブルを抱えていたんだなあ
そんな背景とは関係なく、私としては今回の春樹さんのライ麦は面白く読めなかったわけだけど、本書は楽しく読めました

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